2017/01/31(火)19:30〜

インバウンドマーケティング勉強会-旅マエ編-開催!いま狙うべき市場とは?

“インバウンド”という言葉が昨年の新語・流行語大賞候補に選ばれたように、昨年は多くの企業が「インバウンドマーケティング」を始めよう!と考え始めたのではないでしょうか。
とはいえ、一言で“インバウンド”と言っても、何から始めるべきなのか?そもそも“インバウンドマーケティング”って何なのか?という方も多いように思います。
そこで、様々な角度からインバウンドマーケティングに携わり、また、活躍されている方々をお招きして、成功事例や、今までの失敗などをご共有いただくインバウンドマーケティング勉強会をスタートしました。

『調整さん』が主催するこのインバウンドマーケティング勉強会は、株式会社ナイトレイさんに特別協力していただいており、訪日外国人旅行客のカスタマージャーニーを旅マエ旅ナカ旅アト、と3つのフェーズに分けて、開催されます。

1月31日(月)に行われた第一回目には、株式会社ジャパンインフォの原口 悠哉さん、株式会社Voyaginの高橋 理志さん、Grasia Pte.,Ltd.の山下禮美さんの3名にご登壇いただきました。

モデレーターはリクルートコミュニケーションズで、リクルートグループでのインバウンドビジネスを専門に検討している組織で責任者をされている大坪清吾さん。

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ブライダルや飲食、旅行など、インバウンドに関するテーマであれば領域を問わずサービス検討を行っていて、集客や、リクルートのクライアントにおける外国人旅行客の受け入れ整備や、支援をされているそうです。日々インバウンド向けの施策を考えている大坪さんだからこそ気になる!聞ける!質問を交えながら、進められました。

お一人目のご登壇者は、ジャパンインフォ代表取締役社長 原口 悠哉さん。

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原口さんは日本最大級の訪日外国人向けのWebメディアJapan Infoを手掛けています。
東南アジアも含めるとアジアからのアクセスがおよそ8割を占め、その中でも台湾からのアクセスが一番多く、また、市場としても繁体字圏(台湾・香港)がアツいと考えているそうです。

繁体字圏がアツい、と語る理由はいくつかありますが、1つはリピート率が高く、東京や京都などの人気観光地以外にも足を運ぶ可能性が高く、また、コト消費にも積極的であるということ。台湾と香港からの訪日客のリピート率はおよそ8割と、中国人旅行客のリピート率の倍に及びます。

もう1つは、年間を通じてプロモーション効率が高いこと。
ちょうど今は旧正月で中華圏からたくさん人が来ているという印象があると思いますが、繁体字圏からの訪日旅行客の年間推移をみると、この時期が特別多いわけではないんだとか。
ちなみに、中国人口のうち訪日旅行者数は約全人口のうち0.5%、また、全人口のうち約5%しかパスポートを持っていないことを考えると、広告を打っても効率が良くない、ともいいます。

続いて、Japan Infoの特長をご紹介くださいました。メニューの豊富さ、PVの高さはもちろん、送客保証、PV保証を行っているところがユニークといいます。SNSのアクティブユーザーも多く、記事化も早いことから大手のクライアントさまや政府機関さま、地方自治体さまからも多数ご出稿を頂いている、とのこと。
会場ではいくつか事例をご紹介いただきましたが、どの例を見ても、かなりの効果が出ていることは一目瞭然。その理由は、そもそも日本に強い関心を持っている閲覧ユーザーが多く、LPや記事広告の効果が出やすいこと、と話しました。
Japan Infoを立ち上げて2年、ぐっと成長させてきた経験とノウハウがあるので、訪日旅行者に限らず越境ECなども含め、海外に対してプロモーションを検討したいという方はなんでもご相談ください、もちろん採用も募集中です!とアピールし、お話を締めくくりました。

おふたり目の登壇者は、株式会社Voyagin CEO&Founder 高橋 理志さん。

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Voyaginは、現在3500以上の体験やレストランなどのコンテンツを扱う、日本最大級の体験予約サービス。取扱商品は、大手テーマパークのディスカウントチケットや、新幹線のチケット、ミシュラン掲載レストランの予約プランなど多岐にわたり、今では年間20万件の予約が成立しているそう。その中でも、新宿にあるロボットレストランへの送客は日本で一番多いとのことで、いいリレーションを構築できた結果として、「当日予約ができるのはうちだけ」なんだとか。

英語でマーケティングを始めたことから、英語圏からのユーザー、特にカップルや家族など、複数人のグループに利用されることが多いとのこと。Voyaginを始めてから、「欧米の方は、家族やカップルで過ごす特別な時間のためのプランにニーズがあることがわかった」ともお話しくださいました。

また成功事例として、日本橋明治座で公演中の『SAKURA』についてお話しいただきました。
明治座には、日本人の高齢者が多くいらっしゃるため、昼間の公演が多く、夜はハコが空いてしまうことが多いんだとか。その時間にインバウンド客を取り込みたいと相談を受け、立ち上げのお手伝いをしたそうです。Voyaginは予算をもらい、特別価格で販売しており、今ではレビューも100以上つく人気コンテンツになったそうです。

最近では地方自治体とのお仕事も増えてきたというVoyagin。モニタリングツアー、外国人目線のアセスメント、プランコンペなど、様々な形での支援をされているそうです。
ユニークなところだと、外国人旅行客向けのバックオフィス支援なども行うなど、サービス範囲を広げているそうです。
さらには、チームビルディング支援もされているそう。このチームビルディングというのは、例えば、アジアなどにある日系企業の工場などで働く現地の方を、インセンティブとして日本の本社に招き、日本で働く社員との交流をすること。こちらも多くの企業に好評とのことです。

そんな自社の強みを“集客力”と高橋さんは話します。特に英語圏や富裕層には高いリーチが見込めること、オンライン決済プラットフォームを持っていることで、さまざまな集客支援ができる。またカスタマーサービス支援も行っているので、ぜひいろんな方とお仕事ができれば、とお話しいただきました。

さいごのご登壇者は株式会社grasia Marketing Manager 山下禮美さん。

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韓国、中国、台湾、香港をはじめとするアジア諸国に対して、インバウンド広告やアウトバウンド広告、またプロモーション支援をしているgrasiaでマーケティングマネジャーを務めている山下さんは、「何をKPIにするかがマーケティングを行う上で一番重要」と話し始めます。初めに相談を受けるときにはそこが決まっていないクライアントも多いそうで、“何が目的で、どういうことを、誰に、どうやって見せたいのか”を整理することからお手伝いをされているそうです。

山下さんが様々なマーケティングのお手伝いをしてきた学びとして、インバウンドマーケティングで一番難しいことはプロモーション手法の違いだと話します。

日本でWeb広告といえば、リスティング広告を用いることが多いですが、アジア諸国の場合は、データのソースがまだ整備されていないため、検索という行為自体が普及しておらず、リスティング広告という概念がないのだそう。そんなアジア諸国の方が情報を集める際は、FacebookやTwitter、InstagramなどのSNSがメイン。
そのためGrasiaさんが提案することが多いのは、KOL(Key Opinion Leader)を使ったプロモーションといいます。

KOLはインフルエンサーと呼ばれる、影響力を持つブロガーなどのこと。Grasiaが対象としているアジア諸国においては、フォロワーが多くついている一般の方も多く、情報の受発信をSNSで行うことが一般的、さらに費用対効果が高いこともあり、KOLを使ったプロモーションは非常に多いそうです。

ここで重要なことは、いいね数やフォロワー数だけで判断するのではなく、そのKOLにどういう層がファンとしてついていて、その層がPRしたいターゲット・内容と合致しているか、ということ、と話します。加えて、どういったことを書いてほしいのか、どういうイメージを与えたいのか、など、書いてもらう内容をコントロールすることも高い効果を出すためには非常に重要とのことでした。

KOLの他に効果が高いものとして、キャラクターが挙げられる、といいます。

日本のキャラクターやゆるキャラも、“Made in Japan”をアピールするには有効、かつ芸能人よりも知名度が高いため、プロモーションに使われることも多いそうです。
事例として、バンコクのショッピングモールとキティちゃんのコラボや、くまもんと交通系ICのコラボ、といったことなどがあったとお話しいただきました。
他にも、バスラッピングや、バス停への出稿や、雑誌広告なども手掛けており、最近では日本で使用予定のSIMカードを自国で購入する際に広告を同封することもあるんだとか。

最後にまとめとして、やってみたけど、よかったかどうかわからない、はプロモーションとしては失敗。とにかく目的、ターゲット、手法、そしてKPIを設定することが重要、と強く語りました。

ご登壇者の講演の後は、トークセッションタイムです!

-注力するエリアを決める上で“母数があるか”が重要

大坪
インバウンドといっても、いろんな国がありますが、その中で一番注力しているのはどの国ですか? 今後を見据えた上での注力ポイントや、今後やろうとしていることがあれば教えていただきたいです!

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原口さん
現時点では繁体字圏(台湾・香港)ですね。既にたくさん来ていただいていますし、親日、それにリピート率も高いです。
将来的に考えると東南アジアかなと。LCCが充実してきていますし、国としても成長して、国民平均所得が伸びていることが理由ですね。
中国ももちろん魅力的な市場だとは思いますが、Webサイトを開設するためには中国国内にサーバーを設置すべきであることやICP登録申請を行う必要があるなどのハードルがありますし、SNSを攻めるにも、Weibo(中国版Twitter)や、WeChat(中国版LINE)など馴染みのない手法が必須となるためアプローチが非常に難しいと思います。あと、先述の通り中国人口のうち5%しかパスポートを持っていないので、広告を打っても費用対効果が良くないんですよね。越境ECであれば中国とはある程度相性がいいと思いますが、インバウンド施策として最初に取り組む場合においてはかなり難易度は高いと思っています。

高橋さん
注力する国を考える上で、まずは自分たちが展開しようとしているサービスはどんなことなのか、を理解することが大事です。メディアなのか、モノなのか、体験なのか、それによって変わってくるはずです。
“体験”においては、欧米圏の方が好むものと、中華圏の方が好むものは明確に違うので、地方自治体から相談を受けた場合は、「こういうふうにすればアジアに受けますよ」とか、「これなら欧米受けがいいですよ」とか話したりしますね。
欧米圏と中華圏の違いの1つは滞在時間
欧米やオーストラリアからの訪日客は滞在日数が長く、1週間2週間くらいは滞在します。その分、消費する金額が多いです。アジアだと頻繁に来ることもできるので、1泊2泊で目的を達成するとすぐ帰ってしまうことも多いです。近場のお客さんだとそこまで大きくならないかな、と思う部分もありますね。
今後はもちろんアジアにも展開していきたいと思っていますが、メインランド(=中国)を攻めるのは難しいと感じているので、商材とパートナーがいれば、といったところでしょうか。

大坪
欧米の方は滞在が長いということでしたが、どういうコンテンツに興味関心があるんですか?

高橋さん
ロボットレストランなんかは特にオーストラリアの方が購入されることが多いですね。ヨーロッパからのお客さんは伝統的なことや文化的なことが好きっていうのは感じます。

山下さん
わたしたちは代理店になるので、自社の展望というのはあまりありません…。
お二人の話しにあった通り、プロモーションを行う上で大事なのは絶対的な母数があるということ。となると中国は外せないですよね。

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あと、個人的に次に来ると思うのはインドネシア。まだ開拓されていないので、伸び代がある、というのが理由の1つ。あとは、国の経済成長も早いですし、情報を収集する能力にも長けています。さらに、わたしたちが思っている以上に親日だったりするので、注目しています。

原口さん
僕もインドネシア版のJapan Infoをすぐ始めたいと思います(笑)

インバウンドマーケティングの肝とは?

大坪
では、続いての質問に移りたいと思います。
注目エリアは各社それぞれだとは思うのですが、インバウンドマーケティングをする中で“ここは肝”という部分はありますか?

原口さん
山下さんがおっしゃる通りで、何をKPIにするか、何を目的にするか、を考えることですね。
認知度を上げることなのか?購買行動を起こしてもらうことなのか? どの国のどの層がターゲットなのか? をまず定めてもらっています。
認知度があまり高いものでない場合には、記事広告をお勧めして、きちんと知ってもらう、読んでもらうことから始めましょうと提案します。
例えば、SIMやレンタルWifiのような、誰もが知っているものであれば、直接LPへ送客することを提案しますね。

高橋さん
顕在化しているニーズとそうでないニーズでやることは変わると思っています。
例えば、広島でサイクリングツアーを企画するのであれば、“ピースメモリアル”という言葉を入れたり、原爆ドームを訪れるなど平和記念に関連することを組み込んだ方が受けがいいんです。
あと、瀬戸内は外国人への認知度が高い場所が点在しています。 “瀬戸内”は知らないけど“直島”は知っているとか、しまなみ海道とか、さきほどのピースメモリアル、は知っているとか。そういうところには既に人が行っているし、検索もされているので、そこにいる人をどう周りに動かすか、が今やろうとしてるチャレンジですね。
もちろん、潜在ニーズを顕在化させるのは難しいですが…。

大坪
既に顕在しているニーズを知ることがまず大事ですよね。潜在ニーズに対して取り組んでいることはありますか?

高橋さん
既に多くのフォロワーがいるインフルエンサーにブログを書いてもらう、とかはやっていますね。その体験は知らなくてもその人のブログは読む、ということなので、効果は高いですよね。

山下さん
お二人とは視点が少し違うのですが、インバウンドマーケティングに限らず、マーケティングの肝はKPIです。
関わっている人全員が、よかったのか、よくなかったのかを同義語で話せることが全てです。広告やプロモーションは失敗することもあります。絶対成功する、というのは100%ありえませんから。ただ、そこからPDCAをどう回すか。インバウンドに限った話ではないのですが、できていない企業さんはまだまだある、という印象ですね。

大坪
かなりイタイところをお話しいただきました…。(笑)
プロモーションをしたいと相談してくるクライアントが、どうKPIを設定したらいいかわからない、ということもあると思うのですが、どうでしょう?

山下さん
平たく言うと、プロモーションをやった後に、「やった」という事実しか残らないのは失敗だと思います。目標が100でした、200だったので大成功です、よかったね、だけではダメで、なぜ成功したのか、なぜ200になったのかを具体的に理解できていることが一番大事なことです。マーケティング会社として、KPIをどう設定してもらうか、っていうのはすごく意識していますね。

-今までのオモシロ失敗話!?

大坪
こだわりがそれぞれあるとは思うのですが、今感じている課題感や失敗談などがあればお話しいただけますか?

原口さん
今は成長と比較して人が足りない、というのが一番の課題です。過去の課題だと、英文のクオリティコントロールですね。
Japan Info立ち上げ直後は、日本語の文章を翻訳サービスで英語にして、Webに載せていたんです。当時は気づけなかったのですがその文章のクオリティは正直低いものでした。その記事をFacebookに載せたところ、「この文章はひどいから俺が添削してやるよ!haha!」というようなコメントがネイティブの方から付き、まずい!ということで、ネイティブを雇い文章のチェックを行うことにしました。
しかし、その後にまたわかったのが、ネイティブだからといって正確な英語を知っているかというと、そうではない、ということ。なので、今は採用前に毎回英語力を確かめるためのペーパーテストを行っています。また、外国人だけでなく、日本人が情報の真偽を確認するというダブルチェックを行ったうえで掲載しています。
余談ですが、以前大手の企業さまからご相談を受けた際、過去に作ったものがある、と英語の文章をお預かりしたんです。が、英語のクオリティは決して高いといえるものではありませんでした。例えばわたしたちもあやしい日本語の海外サイトを見ると身構えてしまいますよね。それと同じことが外国の方にも言えると思うので、その国の言葉で“正確な表現”をすること、も力を入れるべき部分だと思います。

高橋さん
あんまりおもしろい話はできないんですが…(笑)
最初は自分が作りたいと思うものを作り続けていたんですよね。外国人旅行者が地元の人と、その土地の文化を体験できるマッチングサービスをやっていました。そこでは「黒帯と空手ができる!」などマニアックな体験も多かったんです。でも外国人旅行者は“黒帯と空手”という発想がそもそもないので、検索しません。 …ということに気付くのに3年かかりました。(汗)

この経験から学んだことは、発見されないとビジネスにならない、ということ。どうやったら発見されるのか?を考えた時に、メジャーな商品を扱うようになったら、ようやくターゲットに見つけてもらえて、他のものも売れるようになりました。ビジネスをするのであれば、独りよがりでは絶対にダメですね…。

大坪
コンテンツの内容の話しをしていただきましたが、情報のコンテンツ化にあたって、失敗談とかありますか?品質についてとか…?

高橋さん
ベンチャーあるあるかもしれないんですが、先走りすぎてお叱りをいただいたことがありました(笑)

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あるツアー会社の体験プランを、合意が取れる前にサイトで公開し、送客しときにサプライヤーから注意を受けました。弊社としては早く実績をサプライヤーに示したかったのですが、ものには順序が必要なのだと学びました。ちゃんとするところはちゃんとしなきゃいけないですよね。あれは若気の至りでした。

山下さん
マーケティングの失敗は、やったけどなんか悪かった。なんかよかった。で終わること。でもそれだと面白くないので…(笑)
“外国人との仕事あるある”だと思いますが、国によって仕事に対するスタンスが違うんです。とくに、KOLさんは仕事に対するスタンスがすごくゆるい、です。期日を守ってもらえなかったり、アウトプットが「ど、どうしたんだろう?」みたいなことは往々にありますね。
あとは、フィードなどを見て、この人だろう! と決めて依頼をした後に、思想がちょっと…みたいなこともありますね。

大坪
インフルエンサーのマネジメントが大事、ということですかね?

山下さん
そうですね。あとは関係性を守るのはすごく大事ですね。

原口さん
ご意見伺いたいんですが、インフルエンサーに依頼をするにしても、文化やクオリティコントロールなどを浸透させるのに、時間がかかりませんか?

山下さん
日本人の感覚がいい意味でも悪い意味でも通じないので、苦労することもあります。期日を期日として認識していないことも多いです。友人みたいな関係になってしまうと、本当に何も言うこと聞いてくれないこともよくありますね。

原口さん
ちなみにどちらの国に多いですか…?

山下さん
アジア全般!! 香港台湾はまだいい方ですが、それ以外は…。

大坪
結構たまってらっしゃいますね…。

山下さん
ローカルギャップっていうものを最初にすごく感じましたね。国が違うとこんなにも変わるんだ…と。
それに、インフルエンサーさんがPVを開示しないこともあります。彼らも口が達者なので交渉次第ではあるのですが、開示しない場合はもう提案できない、という選択をせざるを得ないです。

原口さん
インフルエンサーマーケティングって難しい部分も結構あるのに、なんで人気があるんでしょうか?

山下さん
現地の人がFacebookやTwitterなどのSNSから情報を得ているのは事実なんですよね。友達の友達から情報を得る、というのはよくあることなので、そこへの引き合いは自然と強くなります。ただ、情報ソースが整備されて、検索エンジンを使うことが普及すれば、状況はまたかわるだろうと思っています。

-インバウンドマーケティングビジネス市場は成長しているか

大坪
では続いて、インバウンドマーケティングビジネス市場は成長していると思いますか?
インバウンドは来るぞ! という風潮が世の中にはあると思いますが、実感を聞かせていただきたいです。

原口さん
結論、伸びている、と言わざるを得ないです。政府が掲げている訪日外国人客数の目標として、2020年に40万人という数字がありますが、昨年12月に矢野経済研究所が出したレポートでは、2020年には3679万人が訪日すると言われています。目標ではなく、予測としてそういった数字がでてきたのは良いことかなと。
検索クエリを見ても、「新宿 買い物」などのメジャーなものだけでなく、「広島」などの地方や、「体験」というクエリが増えています。

高橋さん
そりゃあ成長すると思います。
日本の人口は減少傾向にありますし、周りのアジア各国はすごい勢いで経済成長しています。さらに日本はインフラが整っていますし、寿司もおいしいので、来ないわけがないです。(笑)

山下さん
数字だけを見るとやっぱり伸びているので、成長していると言えますが、正直実感としてはまだ、ないです。母数もまだまだ小さいですし、すごい儲かっています、とはまだ言えないですね。
わたしも15年近くインターネット業界にいますが、インターネットの黎明期に似ているかなと。インターネットが“くるくる”と言われながらも、まだダイアルアップ回線が残っていた頃と同じような空気感というか…。インバウンドがもっと成長する!って思っていますし、だからがんばってます。

原口さん
同じ感覚です。去年はインバウンドが流行語になって認知されてきて、今年度インバウンドの予算を取ったり、部署を作ったりして、何をしようか、と動き始めているのがクライアントさんのフェーズです。おそらく、来年度あたりにテストマーケティングやサービスリリースがされて、再来年度あたりには広告などまで広がっているかな。と個人的には思っています。

大坪
僕も同じですね。社内でインバウンド来ますよ~~って4年くらいと言いづづけて、「くるくる詐欺」といじり半分で言われたりします(汗)売上は出るのはわかる、利益はいつでるんだ、なんて言われますね。なので一緒に盛り上げていきましょう。(笑)

では、最後の質問です。もちろんゴールではないものの2020年はひとつの目標にはなると思うのですが、そこに向けた抱負があれば聞かせてください。

原口さん
対応言語を広げていくこと、記事のクオリティをさらに上げること、そして、ユーザーにとって満足してもらえる施策を続けること。
2020年が目途になるのは間違いないですが、そこでインバウンドが終わりではなくて、訪日旅行者数はどんどん増えていくんだと思っています。その時に向けて地力をつけて、ユーザーにとってもクライアントさまにとっても満足度の高い会社になっているのは間違いないので、(採用の)ご応募お待ちしてます!

大坪
最後まで営業ありがとうございます(笑)

高橋さん
僕は手短に。2020年の目標は訪日外国人客の内、年間100万人に利用してもらうことですね。

山下さん
メディアを持っているわけではないので、展望と言えるようなものはありません。
例えば、今インターネット広告は、国内においては、何%はこういう広告につかって、KPIはこれで、PDCAをまわす!といった参考にできる数字があったりしますが、インバウンドマーケティングにおいてはまだありません。今からそのあたりに関するある程度の“解”を作っていって、2020年には提供したいと思っています。

と、様々な形でインバウンドマーケティングに携わっているお三方にたっぷりお話しをお伺いしました!

このあとは、会場にいらっしゃるみなさんからご質問をいただき、ご登壇者にお答えいただきました!
様々な質問をいただきましたが、特に興味深かかったのは「今後のインバウンド施策を進める中で、新規獲得、リピーター獲得、どちらに力を入れるべきか?」という質問です。
理由は三者三様でしたが、答えは全員「新規」。
もちろん、提供したいサービスによって、ターゲットは新規とリピーターで異なる、としながらも、まだまだ全世界的に見たら、今日本に来ている外国人旅行客はまだまだ少ないと同様の見解をお持ちでした。
これからインバウンド向けのサービスを考えてらっしゃるみなさん、狙うなら“新規”みたいです!!

こうして幕を閉じた、インバウンドマーケティング勉強会-旅マエ編-でしたが、ご参加いただいたみなさん、ここまでレポートを読んでいただいたみなさん、お楽しみいただけましたか? インバウンド向けに何か始めたい、もしくは、行き詰っている!というみなさんにとって、学びのあるお時間になればうれしいです。

次回のインバウンドマーケティング勉強会は旅マエ編、その中でも特に“宿泊”に関するサービスを展開されている3社をお招きし、事例などご紹介いただく予定ですので、お楽しみに!

ご参加を希望される方はこちらから。